人体にとって塩分(ナトリウム)というのは欠かせないものです。

塩

 

脂肪などにも同じことが言えるのですが、昨今では食生活が豊かになりすぎたこともあり、どちらかというと「過剰摂取」が問題で、しきりに減塩、減塩と謳われております。しかし本来、塩分というのは人体にとってなくてはならないもの。それは、生物にとって欠かせない血液に塩分が含まれていることからも容易に想像がつきますね。

 

特に暑い夏は汗をかいてそこから塩分が流出してしまいがちです。過剰摂取はいけませんが、適度に補給して塩分の不足を補いたいものです。

 

こちらでは、塩分が不足してしまうことによってどんな症状が現れるのか、また不足してしまう原因などを紹介していきたいと思います。

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体内でのナトリウムの働き

ナトリウムは、それ自体がエネルギー源になるわけではありませんが、体内では生成することができない必須ミネラルの一つです。体内では塩化ナトリウム・重炭酸ナトリウム・リン酸ナトリウムなどの形で存在しています。塩化ナトリウムというのが、通常我々が「塩」と言っているものですね。

 

体内の水分の維持

体は、血液中に含まれる水分とナトリウムなどの電解質の割合を一定に保とうと働きます。ナトリウムが過剰になれば、その分血液の塩分濃度が濃くなることになりますから、これを薄めるために水分の摂取量を増やそうとするので喉が渇きます。

 

体内 水分

逆にナトリウムが不足すると、腎臓からの尿の排出量を増やして濃度を一定に保とうとします。ナトリウムが体内で生成できない以上、濃度を一定に保つためには水分の量を減らすという選択をせざるを得ないのですね。

 

これはつまり、、ナトリウムが不足している状態では水分をいくら補給してものれんに腕押しで、すぐに尿として排出されてしまいます。水分補給において塩分の補給も同時に重要になってくるのはこんな理由があるのですね。

 

体内のPHをアルカリ性に維持

人の体内は、何を食べても体液がアルカリ性に維持されるように働いています。酸性食品を摂取することで体が酸性に傾くと結石を引き起こす原因になったりするのですが、ナトリウムの緩衝作用によって体が酸性に傾くのを防いでくれます。

梅干し

 

よく、梅干しなどのアルカリ性食品が体にいいと言われるのはこれが理由でしょうね。

 

体液の浸透圧の調整

細胞の外に多く存在するナトリウムと細胞の中に多く存在するカリウムはブラザーイオンと言われるほど親和性が高く、双方が対になって浸透圧が一定になるように調整をしています。

 

また、カリウムはナトリウムと結びついて体外へと排出してくれる役割もあり、ナトリムの過剰摂取にカリウムがいいと言われる理由になっています。

 

筋肉の収縮

細胞の外にナトリウムが多く存在し、逆に細胞の中にカリウムが多く存在するというのは前述のとおりですが、これらは脳から筋肉を収縮させる命令が出た時に外にあるナトリウムが細胞の中へ、カリウムは外へ移動することで信号が伝わります。逆に筋肉を弛緩させるときにはナトリムは細胞の外へと戻り、カリウムも細胞の中へと戻ります。

 

神経刺激の伝達

筋肉の収縮と同じように、細胞内外のナトリウムイオンとカリウムイオンが入れ替わることで電気信号となり神経組織を伝わります。

 

消化の手助け

これは、ナトリウムそのものの働きに加えて、「塩」つまり塩化ナトリウムを構成する塩素のほうの働きも含みます。

胃
胃酸などの消化液には塩酸という強酸性の物質が作られているのですが、これは塩化ナトリウムの「塩素」から作られます。胃液にかぎらず、腸、肝臓、すい臓などの消化液の成分にもなっておりますね。また、唾液のジアスターゼという消化液の働きを活発にする役割もあります。

 

ナトリウムが不足することによる症状とは

さて、ナトリウムの体内における役割をお伝えしましたが、ナトリウムが不足することによって現れる症状というのはすべてこれらと表裏一体になっていると言えます。

 

目眩、ふらつき

目眩

これは体内に含まれる水分と電解質の濃度を一定に保とうとする働きからくるものです。

塩分が不足すればナトリウムの排出を抑制するだけでなく、水分を排出して濃度を一定に保とうとします。これは、濃度こそ一定に保たれておりますが体内の血液の総量は減ることになります。そのため、脳に運ばれる血液が少なくなり酸素運搬もままならなくなるので目眩やふらつきを引き起こします。

 

食欲減衰や脱力感

眠気

これも体液の塩分濃度を一定に保とうとする働きからくるものです。血液に限らず、リンパ液や胃液などの消化液も少なくなるのでそれに伴って食欲が減退し、体がだるくなったりします。

 

食欲が低下すれば、その分塩分の摂取も少なくなりますからさらなるナトリウム不足を引き起こすという悪循環にもなってしまいます。

 

脱水症状

脱水症状 イラスト

これも体液の塩分濃度を一定に保とうとする働きからくるものです。体内のナトリウムの働きの項でも少しお話しましたが、ナトリウムが不足しているといくら水分を補給してものれんに腕押しで、またすぐに体外へと排出されてしまい意味がありません。

 

特に汗によって水分と同時に塩分も失った際にはただ水分を補給するのではなく、スポーツドリンクや経口補水液など、塩分の不足も同時に補える飲み物を飲むと脱水症状の予防になります。

 

筋肉異常、精神障害や昏睡状態

昏睡 

ナトリウムイオンが筋肉の収縮や神経刺激の伝達の役割を担っていることからくるものです。ナトリウムが不足すると筋肉の収縮がうまくできず、無意識に筋肉が収縮してけいれんを起こしてしまったり、精神錯乱状態なったり、睡眠が長く続いて刺激に対する反応が鈍くなる嗜眠という状態になったりと心身共に悪影響が出ます。

 

ナトリウムが不足してしまう原因とは

 

通常、私たちが生活している中でナトリウムが不足することはほとんどありません。あるとしたら激しい運動をしたり高温多湿な環境で長時間作業したりして多量の汗をかいた場合や、激しい下痢・嘔吐をした時などです。ざっくり言うと「体液を過剰に放出した時」にナトリウムの不足が起こると言えるでしょう。

 

これらが起こった時はナトリウムと同時に水分も著しい量を失っており、こういう場合は口渇感があるため、体感としても水分の補給は容易です。しかし、水分のみを補給してナトリウムが不足してしまう事態に陥りがちです。

 

ナトリウムが不足しても初期には自覚症状がないため、気づかない間に悪化してしまうというのもナトリウム不足の怖さと言えるでしょう。

 

「減塩」という言葉に惑わされず、塩分も不足したら取るべきに取る。何事も「適度」というのを意識すると良いでしょう。



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